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書かずにはいられない読書感想

文学と哲学が多いかも

リベットの準備電位について、よくある勘違い

私たちが何か意志決定するときには、その意志決定の0.55秒前に、準備電位と呼ばれる脳波が無意識下で発生しています。

そのせいで、私たちは自由に意志したように見えても、じつは、無意識に意志を決定されているんだ、っていうのが心脳問題といわれる哲学テーマの一つです。

 

これに対して、この前のブクマでは、「無意識に意志を決定されているといっても、結局のところ自分の脳内で決定しているんだから、準備電位か何か知らんけど、個人にはちゃんと自由意志があるんだ。脳波があれば自由意志なんだ」っていう意見が多かったです。

この記事ですね。

記事の内容は、「動作の0.2秒前までなら、自由意志によって、準備電位の内容を書き換えることが出来る(つまり、動作の0.55秒前には準備電位が発生して、それがドヤ顔フリーパスで進み続けると、動作の0.2秒前には(変更不能な)行為意志に成長してしまうので手遅れだけど、それまでの0.35秒の間なら自由意志によって準備電位の内容を書き換えることが出来る)」というものです。

ここで大切なのは、自由意志と、(タイミリミットが過ぎて既に決定されてしまった変更不能な)行為意志とを区別するということですね。

 

それで冒頭のブクマでは、「準備電位も自由意志だ」と主張されてるんですが、今書いたように、準備電位を変更してみせるのが自由意志なので、それは要素(準備電位)と作用(自由意志)の関係みたいなもので、主語と述語でつないでしまうとカテゴリーミステイクなので意味が通りません。

しいて言うとすれば、準備電位がそのままいけば行為意志なので、「準備電位は行為意志になりえるし、ならないこともある」というところまではいえますね。

 

ちなみに、私たちがある刺激(単純な皮膚への刺激)に気付くには、その刺激による脳波が0.5 秒間持続していなければならない、という観察事実があります。

それは言い換えると、今意識において感じていることは、実際の世界では0.5秒前の出来事だということです。

つまり、感覚にはタイムラグがあります。私たちは今この時間に生きていないってことでしょうか。

 

 

この論文は面白かったです。

http://www.philosophyoflife.org/jp/seimei201302.pdf

『心脳問題と人間的自由 』居永正宏

 

この記事はかなりすごいです。自由意志関連の記事では、今まで見た記事のなかで一番感動しました。